近年、2000年代初頭の「Y2K」スタイルが再び脚光を浴びていますが、その次にくる新たなトレンドとして囁かれているのが「インディー・スリーズ」。2000年代後半から2012年にかけて、特にロンドンのストリートファッションを中心に広がったこのスタイルは、音楽とサブカルチャーに深く根ざしています。
「インディー・スリーズ」という言葉は、インディーロックと「スリーズ(Sleaze)」、つまり「いかがわしい」「低俗な」という意味を掛け合わせた造語です。このスタイルの背景には、当時の音楽シーンや、ロンドンの若者文化が強く影響していますが、具体的に誰がこの名前をつけたのかは明確ではありません。おそらく3年ほど前から使われ始め、インスタグラムでは「@indiesleaze」というアカウントがスタイルを広めました。
インディー・スリーズの特徴
このスタイルの特徴は、80年代ファッションや90年代グランジの影響を受けた、古着風のミックス&マッチスタイルです。ヴィンテージ感のあるレザージャケット、オーバーサイズのトップス、破れたタイツ、細身のパンツなど、個性的で自由な組み合わせが目立ちます。お手本とされるのは、インディーロックバンド「ザ・リバティーンズ」のフロントマン、ピート・ドハーティとモデルのケイト・モス、さらにアギネス・ディーンやピクシー・ゲルドフといった当時のファッションアイコンたちです。
また、ヘンリー・ホランドやジェレミー・スコット、エディ・スリマンといったデザイナーたちの影響も見逃せません。彼らのデザインには、インディー・スリーズの反逆的でカジュアルな美学が色濃く反映されています。
インディー・スリーズは本当に次のトレンド?
このスタイルは、特にSNS上でZ世代を中心に支持を集めています。ティックトックやインスタグラムで紹介され、アメリカを中心に人気が広がり、今年に入ってからは有力ファッション誌でも取り上げられるようになりました。ただし、SNS上での盛り上がりに対し、実際のストリートではまだそれほど多く見かけないという声もあります。一部では「フェイクトレンド」と揶揄されることもあり、実際に街中でどれほど浸透するかは、今後の動向次第でしょう。
ロンドン・ファッションウィークで感じた「インディー・スリーズ」
9月に行われたロンドン・ファッションウィークでは、インディー・スリーズの影響を感じるコーディネートも見られました。ロンドンで生まれ育ったZ世代のレポーター、レオンとともに、そのムーブメントをじっくりと観察。彼によると、このスタイルは2008年のリーマンショック後に広がったものだと言われています。明るくエネルギッシュなY2Kスタイルに対抗する形で、ダークでグランジーな要素が目立つようになり、ストリートでの存在感を増していったとのこと。
タイツが伝線していたり、レザージャケットにスキニーパンツを合わせたりするスタイルは、まさに当時の反骨精神を体現しています。今ひとつ捉えどころがないように見えるかもしれませんが、その自由で個性的なファッション感覚こそが、インディー・スリーズの魅力なのです。
結論
「インディー・スリーズ」は、Y2Kに次ぐトレンドとして徐々に注目を集めつつありますが、まだその未来は不確かです。今後、ストリートやファッション業界でどのように展開していくか、見守る価値がありそうです。
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