【Netflix】ファッション好きが見るべき作品

【Netflix】ファッション好きが見るべき作品

1. SNSレスのハリウッド黄金時代は、帽子がすべてを物語る。「ハリウッド」
ファッション、ハリウッド、おしゃれ、配信ドラマ、ストリーミング、netflix、ネトフリ

舞台は第二次世界大戦後のハリウッド。アメリカ中の若者が、映画業界への参入を夢見て集まった「黄金時代」をセンセーショナルに映し出す。製作を手がけるのは、ミュージカルドラマ「glee」やホラードラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」などを生み出した鬼才ライアン・マーフィーだ。

自身もゲイであるライアンは、かねてよりハリウッドのLGBTQに対する不平等な扱いに警鐘を鳴らしてきた。本作では、ハリウッドの華やかさだけでなく、人種やセクシュアリティ、セクハラ問題や格差社会など当時の無秩序にも鋭く切り込む。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

予告編にある「もしも歴史を塗り替えられたら?」もテーマのひとつ。実際に、戦後のハリウッドでは、白人以外の人種が主演したり、多様なセクシュアリティが認められるなど到底なかった。しかし本作では、若者たちがこの誤った価値観に疑問を呈し、映画業界に革命を起こそうと奮闘する姿が描かれる。ライアンの過去のハリウッドへの強き思いが見え隠れする一作だ。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

作中で登場人物が身につけるアイコニックなファッションで、特に注目したいのが帽子だ。1940年代のハリウッドでは、階級、人種、性別、年齢関係なくみんな帽子を愛していた。映画スタジオの社長夫人が身につける個性あふれる上品な帽子に、若手監督の個性が光る黒のハット、ガソリンスタジオでイケメンたちがかぶる軍人風のキャップなど、帽子によってその人が置かれた立場や性格までも読み取ることができる。

 

 

2. ビリー・アイリッシュが流れる、ヒップな女性詩人のコスチューム劇。「ディキンスン 〜若き女性詩人の憂鬱〜」
今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

19世紀を生きたアメリカの天才女性詩人エミリー・ディキンスンの若かりし日々を描く一作。2019年11月にスタートしたApple TV+のオリジナルシリーズで、歴史ドラマでありながらビリー・アイリッシュの楽曲が使われたり、ポップな作品としても話題だ。作中に流れる楽曲「Afterlife」は、ディキンスンを演じた女優で歌手のヘイリー・スタインフェルドが、ディキンスンの生き様に触発されて作った一曲だそう。

主演を務めたヘイリー・スタインフェルド。

主演を務めたヘイリー・スタインフェルド。

女性が男性よりも目立つことが決して許されなかった時代ゆえに、類まれなる感性をもちながらも、生前に作品を世に出せなかったディキンスン。その殆どは死後に発表されることになるが、この物語は、時代に翻弄された女性の悲劇ではない。詩人としてプライドを高く持ち、世間に中指を立てながらヒップに生きた女性のポジティブストーリーなのだ。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

印象的なのは、女性たちの「抑圧ファッション」。“女性たるものこうあるべき”論を押し付けられたスタイルは、身体を拘束するコルセットに、動きづらそうなワンピースと窮屈そのもの。一方で、ディキンスンは男性に変装したり、真っ赤なドレスを身に纏う自分を想像したり、周囲の目を盗んでは自由気ままに満喫。ファッションだって決して支配されなかった。

“私が時代に合わせる必要はない。いつか時代が私に追いつくから”。そんな一言が聞こえてきそうな彼女の人生に、多くの勇気をもらえる。

「ディキンスン 〜若き女性詩人の憂鬱〜」

Apple TV+オリジナルシリーズ。独占配信中。

3. 90年代トレンド満載のニューヒロインは、なりふり構わぬやさぐれ主婦!「ビカミング・ア・ゴッド」
(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

ジョージ・クルーニーが製作総指揮を、キルスティン・ダンストが主演を務める話題の最新ドラマシリーズ。1992年のフロリダを舞台に、ネットワークビジネスの裏側と一人の主婦の成りあがり人生を描く。

キルスティン・ダンストが体重を増やして挑むのは、貧困層から抜け出せない主婦クリステル。財産と家を奪われ、借金と幼い子供を抱えて途方にくれる。やむを得ず夫が熱中するネットワークビジネス「FAM」の上級会員を目指すことになるが、独特なカリスマ性によってどんどん上り詰めていく彼女を見るのは快感だ。

 

(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

やさぐれキャラなヒロインだが、なりふり構わずなんでもやる行動力とクレイジーさは、憧れさえも抱く。特に赤ん坊を抱っこ紐で抱え、タバコを吹かせながら四輪バイクで銀行に向かうシーンにはクールとすら感じてしまう。

(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

(C)2019 Sony Pictures Television Inc. and Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

作中では、リバイバル中の90年代のアメリカンファッションが楽しめる。ハイウエストデニムにカラーベルト、フラワープリントのブラウスやチビT、ショート丈のデニムジャケット、ボリューミーなカーリーヘアにヘアバンドなど、作中に登場するアクティブな90年代ファッションとヘアスタイルは、当時の彼らの反骨精神を反映するようだ。

落ち込んでいる暇はない。生きるためにはなんでもやるのだ! と髪を振り乱しながら子育てと仕事に追われる主婦の生き様と、そのどん底からの見事な返り咲きに身震いがした。

「ビカミング・ア・ゴッド」
Amazon Prime Videoチャンネル 「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中。
BS10 スターチャンネルで以下放送予定。
<STAR1 字幕版> 6/19(金)より毎週金曜23時放送ほか※6/13(土)20時~第1話 先行無料放送 <STAR3 吹替版> 6/24(水)より毎週水曜22時放送ほか

4. 苦味の効いた人生とジャズ、ファッションがマッチ。「ジ・エディ」
今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

映画『セッション』や『ラ・ラ・ランド』で高い評価を受けるデイミアン・チャゼル監督が手がける長編ドラマシリーズ。現代のパリを舞台に、ニューヨークから移住した天才ピアニストのエリオットが経営するジャズクラブでの出来事がストーリーの肝となる。

経営がうまくいかず、友人がアンダーグラウンドビジネスに手を染めてしまったり、クラブのバンドメンバーと関係がうまくいかなかったり、精神的なトラブルを抱える娘のジュリーがニューヨークから移住したり……。全8話、穏やかではない展開が続く。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

しかし終始流れるジャズミュージックが気持ちのざわつきすべてを回収してくれる。それらのほとんどはこの作品のために描き下ろしされたオリジナル楽曲で、『ラ・ラ・ランド』の楽曲を手がけたアーティストや、マイケル・ジャクソンの往年の名曲「Man in the Mirror」の作詞家が携わっている。

さらに、作中でそれらを演奏するバンドメンバー全員が、リアルなミュージシャンなのだ。俳優が演奏の当て振りをするのではなく、実際に演奏するからこそ、情緒溢れる音楽を奏でられる。セリフの60%がその場で俳優たちが生み出したアドリブから成り立っているという裏話にも驚きだ。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

肝心のファッションについても触れたい。多くを語らぬ登場人物が多い中、視聴者の代弁者ともいえるのが、1998年生まれのアマンドラ・ステンバーグ演じる娘のジュリーだ。ヴィヴィッドな色合いのTシャツ、ショート丈のジャンパースカートなど、何か言いたげなファッションは彼女自身のSOSを表現するだけではない。低所得者層が多く入居する集合住宅や、犯罪に巻き込まれやすい夜の路地裏など、観光以外の顔をもつパリの危うさまでを表現する。

さまざまなバックグラウンドをもつ人間たちが作り上げる音楽と、重なり合う彼らの人生はあまりにも悲哀で美しい。ひたすらに陶酔できる一作だ。

「ジ・エディ」
Netflixオリジナルシリーズ。独占配信中。

5. 40年代のパリ、オートクチュール界を舞台に、ファッションという自由を描く。「ザ・コレクション」
今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

第二次世界大戦後のパリを舞台に、家族経営の高級オートクチュール店の苦悩と成功を、壮大なサスペンスドラマと共に描く。投資家との意見の食い違い悩む経営者に、混沌とした時代での市民のファッションへの無理解、いつになっても日の目を見ないデザイナーの葛藤など、当時のファッションビジネスのタフさがリアルに映し出されている。

衣装デザインは、『シャネル・アンド・ストラヴィンスキー』のシャトゥーヌ&ファブのコンビ。丁寧な縫製に完璧なデザインが施されるオートクチュールは見どころ満載だ。3人の縫製師が花嫁の幸せを願い、毛髪を絡ませながらウェディングドレスの裾をチクチク縫うシーンは特に印象的。ファッションにまるで興味のない男性記者がその縫製師の姿を見て歓喜する様子は、スローファッションの素晴らしさを理解するにぴったりな一コマだろう。

 

 

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

同時に、同性愛者への嫌悪や女性差別、戦争で自信を失くした男性たちなど、戦後のパリの社会情勢も垣間見える。目を背けたくなる“負”の部分こそが創造の源で、そのすべてがブランドのメッセージやデザインに活きていく過程もまた魅力だ。

特に主人公が作中で言い放つ「ファッションに興味のない人でも、着ている服にはその人なりのこだわりがつまっている」は究極の名言。ファッションは服好きの人だけのものではなく、すべての人に開かれたものだと改めて気付かせてくれる。

今こそドラマでファッション熱を高めよう! 話題の新作5選。

「明日食べるパンさえ手に入らないのに、オートクチュールなんて何様なんだ」と、市民が真っ赤なコレクションドレスを着用するモデルに暴動を起こすシーンがある。そこで怯むのではなく、「大胆かつ最高のものは恐怖心では作れない」とさらに意欲的になる経営者。事件後に、人々の様々な思いを抱えて迎えるコレクションシーンは必見だ。また前述の「ジ・エディ」と見比べると、同じパリでも40年代と現代の違いを楽しむことができる。

「ザ・コレクション」
Amazon Prime Videoで独占配信中。

ブログに戻る

こちらのサイトは

ウーストアは、カルチャーとコミュニティと商取引の交差する場所でビジネスを展開する、グローバルなテクノロジー プラットフォームです。

 

日本に本社を置き、ウィメンズウェア、メンズウェアの各部門で、老舗ブランドから新進ラグジュアリー ブランドまで、多岐にわたるブランドを取り扱っています。

1 3

あなたにおすすめ

Mens

1 10

Women

1 10